本研究では、スギ・ヒノキ人工林で保持林業を適用する場合にどの広葉樹種が保持木となり得るか、また約10本/haの維持が可能かを検討した。できるだけ大きく育った健全な高木性広葉樹の生立木を10本/ha で単木保持することを選木基準とし、四国の主伐後の2林地で保持木を選木した。また林業事業体に保持林施業の感想と印象を聞き取った。その結果、保持木の樹種は暖温帯自然林の自生種であった。片方の林地では稚樹や損傷個体、萌芽更新個体も選木され、保持木を一定サイズ以上の広葉樹に限定すると少量の本数でも維持が難しい林地があることが示された。林業事業体は保持林施業に肯定的であったが、作業班間での施業内容の情報伝達の難しさが指摘された。