海岸林での9年間の毎木調査から、高潮被害前後におけるクロマツとクスノキの死亡率や相対成長率の変化を評価した。徳島県大里松原で2016年2月から2025年1月まで毎木調査を実施し、期間中の2019年10月に高潮の浸水被害を受けた。高潮後6ヶ月目での死亡率はクロマツよりクスノキのほうが高かった。高潮後2年間の浸水範囲内での死亡率は両種とも浸水範囲外より高く、5年後でも高い傾向がみられた。胸高直径の相対成長率は2年後では両種とも高潮前より低下し、5年後には若干の回復がみられたが高潮前よりは低かった。高潮被害の影響は少なくとも5年間は続き、成木でもクスノキはクロマツより海水浸漬に弱いことが示された。