Functional Food Research
Online ISSN : 2434-3048
Print ISSN : 2432-3357
総説
ロコモティブシンドローム対策に向けたグルコサミン含有機能性表示食品の開発
出雲 貴幸
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2020 年 16 巻 論文ID: FFR2020_p35-39

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抄録

超高齢化社会を迎えた日本において,健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間,いわゆる健康寿命の重要性が提唱され,平均寿命と健康寿命の乖離を短縮することが大きな課題と考えられている.要介護の主な原因のうち「高齢による衰弱」,「骨折・転倒」,「関節疾患」など,運動器の障害がおよそ40%を占めるという背景から,近年,「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」としてロコモティブシンドローム(ロコモ)が定義され,食習慣や運動習慣を中心とした生活習慣の改善によるロコモの予防に関心が高まりつつある.

一方,機能性表示食品制度の開始により,科学的根拠に基づく機能性を有した食品の開発が注目を集めている.なかでも生活習慣の改善を主とするロコモ対策市場においては,多様な機能性表示食品が展開されており,超高齢社会の中では今後もますます注目度が高まることが想定される.サントリーウエルネス株式会社では,運動器(関節・筋肉・骨)の老化研究に注力しており,なかでもグルコサミン含有食品のヒト有効性エビデンスの取得に主眼をおき,ロコモ対策に向けた機能性表示食品の研究開発を行っている.本稿では,弊社が開発したひざ関節機能ならびに歩行速度に着目した機能性表示食品に関して,ヒトのエビデンスを中心に紹介したい.また今後の研究開発方向性についても触れたい.

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© 2020 ファンクショナルフード学会
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