2013 年 2 巻 3 号 p. 83-88
多雪地帯の採種園において、外部花粉を抑えて園内交配を向上させる目的で、スギミニチュア採種園の受粉動態を5年間調査した。気象条件が合致すれば、園内のスギの開花が遅れることによって、園内交配チャンスが高まる可能性があることが分かった。外部花粉の混入を低く抑えられる条件は、(1)園内のスギの開花期が園外のスギの開花期とずれること、(2)園内の雄花と雌花の開花期のばらつきが少なく、短期間に開花終了すること、(3)園外のスギが短期に集中して開花することである。このための気象的な要因としては、積雪が多く、融雪から開花期にかけては暖かい天候が続くことが重要と考えられた。これらの条件と合致した2006年と2008年の開花期間中に飛散した外部空中花粉は、シーズン全体の外部花粉数の10%未満で、採種園への花粉混入は少ないと考えられた。しかし、条件と合わない年には何らかの人為的な対応が必要である。