日本薬理学雑誌
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特集 薬理学領域における磁気共鳴画像法の可能性
医薬品開発におけるMRIの応用
石川 誠
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2012 年 140 巻 4 号 p. 161-165

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抄録

磁気共鳴画像法(MRI)とMRスペクトロスコピー法(MRS)はヒトの病態診断のみならず病態モデル動物での薬効評価に応用されている.MRIは組織コントラストと空間分解能の高い非侵襲的な画像診断法である.MRIの高い組織コントラストは,組織における水のプロトンの物理的性質(密度,緩和時間,磁化率,拡散,流れ等)の違いによってもたらされ,この物理的性質を強調することで,多様な画像を提供し,さまざまな病態診断に貢献している.また,MRSは細胞の代謝の情報を提供する手法であり,1H-MRSは主に中枢疾患領域において利用されている.また,臨床と同じバイオマーカーで評価できるMRIはトランスレーショナルイメージングとして利用できる.本稿では磁気共鳴法の特徴を述べ,MRIと1H-MRSを用いた病態モデル動物での薬効評価と病態評価について紹介する.

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© 2012 公益社団法人 日本薬理学会
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