抄録
イヌ心臓機能に及ぼす薬物の作用は主に in vivo 動物標本ならびに in vivo 摘出標本を使用しての実験成績によって分析されているが、医学的見地からすれば静脈投与によって惹起される反応は心臓循環器系への直接作用のみならず反射等を介した間接作用も反映しているので複雑な反応として出現する。したがって、直接作用を正確に見極めるためには in vivo 動物実験ではその点を明確にしておく必要がある。これらの作用を同時に観察できれば都合のよい実験標本といえる。今回はすでに1975年以来使用されているイヌ摘出右心房筋を供血犬のヘパリン化動脈血で定圧灌流する方式を用いての実験例を示し、薬物の心臓作用の分析を検討した。薬物としてはリドカイン、ジソピラミド、PGI2、ペントバルビタール、ニトロプルシド、ハイドララジン、グルカゴンを用い、供血犬に静注した時の供血犬および摘出心筋の反応を示す。さらに、その心臓作用の薬理学的分析を行い、直接作用と間接作用について検討した結果を示す。