日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
十二指腸腫瘍の診断と治療
遠藤 昌樹松本 主之菅井 有
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2014 年 56 巻 11 号 p. 3763-3774

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抄録
十二指腸腺腫や早期癌の発見は増加しているが,疾患の頻度の低さもあり鑑別診断については曖昧な点が多い.生検による腺腫,早期癌の診断も容易ではなく,内視鏡診断・病理学的診断ともに他の消化管に比し課題が多いのが現状である.内視鏡治療に関しても適応の問題,手技の困難性,偶発症が高率である点などが問題である.さらに,鑑別診断を考える上では非腫瘍性隆起性病変の特徴を知ることも重要である.異所性胃粘膜とブルンネル腺過形成の頻度が高いが,拡大所見を含めた詳細な観察で鑑別が可能である.また腸型の腺腫・粘膜内癌では絨毛の白色化が特徴であり,重要な所見である.白色化と粘液形質の関連など臨床病理学的な検証が今後の課題といえる.
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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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