2014 年 56 巻 4 号 p. 1556-1562
60歳男性.上部消化管内視鏡検査で,十二指腸副乳頭部に10mmの隆起性病変を認め,生検での病理組織検査から神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor)と診断した.ERCP検査で膵管非癒合の合併を認めた.CT検査で遠隔転移を認めないため,膵頭十二指腸切除術を施行した.病理診断で病変は5mm,深達度は粘膜下層で,リンパ節転移は認めなかった.副乳頭神経内分泌腫瘍は稀であるが,本症例のように膵管非癒合との合併が高率に報告されている.