抄録
81歳女性.1998年より血便出現し潰瘍性大腸炎(全大腸型)の診断にて加療されていた.2006年大腸内視鏡検査にて直腸S状部に径3mmの境界明瞭なIIa病変を認め,生検では中等度異型腺腫の診断であり経過観察となっていた.2010年の大腸内視鏡検査では,同部位に周囲に平坦隆起病変を伴う径20mm大の発赤調で不整な隆起性病変を認めた.生検にて高分化型腺癌の所見であり,colitic cancerと診断し全結腸・直腸切除術+小腸人工肛門造設術を施行した.病理診断は0-Isp+IIa+IIb+IIc,tub1(+pap),pM,ly0,v0,pPM0,pRM0,pN0,Stage p0であり,隆起病変周囲には術前に指摘できなかったIIb+IIc病変を認めた.2006年のIIa病変も含めp53染色陽性であり,約4年の経過で扁平隆起型low grade dysplasiaからcolitic cancerへ進展したと考えられた.