2016 年 58 巻 11 号 p. 2273-2278
症例は84歳の女性.潰瘍性大腸炎に対して大腸亜全摘術を施行されている.腹部膨満感を主訴に近医を受診され,腸閉塞疑いで当院へ紹介搬送となった.来院時の腹部CT所見より小腸捻転症と診断し,UPD(Endoscope Position Detecting Unit:内視鏡挿入形状観察装置)補助下に内視鏡的整復術を施行した.約6週間後に再発するも,同様に内視鏡的整復術に成功し,以後,再発を来たしていない.今回,大腸亜全摘術後と特殊な症例ではあったが,UPDを用いることで安全に内視鏡的整復が可能であった小腸捻転症の1例を報告する.