2017 年 59 巻 6 号 p. 1416-1421
症例は56歳,男性.健診で施行した上部消化管内視鏡検査および生検にてファーター乳頭近傍の十二指腸神経内分泌腫瘍を認めた.大きさやファーター乳頭に隣接していることから,幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理検査所見では,術前に内視鏡診断していた十二指腸下行部のファーター乳頭部近傍の病変は,神経内分泌腫瘍の診断であった.さらにそれに加え,ファーター乳頭Abと下部胆管Biの境界領域にも別の神経内分泌腫瘍を認めた.最終診断は多発十二指腸神経内分泌腫瘍であった.術後経過良好で退院となり,現在まで6年7カ月無再発生存で外来通院中である.