51歳男性.上部消化管内視鏡検査にて胃体部に多発する粘膜下腫瘍(SMT)様病変を認め,病理生検でneuroendocrine tumor(NET),WHO分類G2だった.胃体部は広範に萎縮を認め,血清ガストリン著明高値,抗胃壁細胞抗体陽性で,CT・PET-CTでは明らかな異常所見は認めず,A型胃炎に伴った計8個の多発胃NET(Type Ⅰ)と診断した.内視鏡治療か外科的治療かで方針選択に苦慮するも,最終的には本人とも相談し胃全摘術+リンパ節郭清術を選択した.術後病理では胃体部に合計14カ所(最大径7mm)のNETを認め,多くはG1で一部G2だった.本症例では胃全摘術を選択したが近年はより低侵襲な治療(内視鏡的切除や縮小手術)の報告も多くなってきており,Type Ⅰ多発胃NETに対する治療法の選択を中心とした文献的考察を加え報告する.