2021 年 63 巻 1 号 p. 45-51
症例は68歳の男性で,排便時出血を主訴に当院を受診した.大腸内視鏡検査では,上部直腸に表面の大部分が白苔で覆われた粗大結節状の隆起性病変を認め,一部に黒褐色調の色素沈着を伴っていた.生検では,メラニン色素を含む円形の異型細胞が充実性に増殖しており,S-100蛋白,HMB-45,Melan Aによる免疫組織化学染色でいずれも陽性所見を示したことから,悪性黒色腫と診断した.皮膚には悪性黒色腫を疑う色素沈着はなく,PET検査では直腸と胆嚢に集積を認めた.低位前方切除術と胆嚢摘出術を施行し,直腸原発悪性黒色腫と胆嚢転移の診断となった.