食道扁平上皮癌に対して内視鏡治療後に非治癒切除(pT1a-MM/T1b-SM)となった際には,リンパ節転移のリスクがあるが,pT1a-MMかつ脈管侵襲陰性では低い転移リスクから推奨治療が決定されておらず,実臨床では90%以上の患者で追加治療が行われていない.一方で,pT1a-MMかつ脈管侵襲陽性もしくはpT1b-SMでは追加治療(手術療法/化学放射線療法)が推奨されている.近年,非治癒切除後追加治療を行わない場合の転移再発リスク層別化,cT1bN0M0癌に対する内視鏡治療+選択的化学放射線療法の有用性の検証など新たな知見が報告されている.また,非治癒切除後の死亡の多くが他病死であることから,病理学的因子以外の予後関連因子の報告も増えている.今後は,他病死を加味した高齢内視鏡治療非治癒切除患者への適切な治療選択システムの確立,リンパ節転移・転移再発を予測する新たなバイオマーカーの確立などさらなる発展が期待される.