日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
手技の解説
カプセル内視鏡の挿入補助:嚥下困難,食道・胃停滞例への対応
大宮 直木 岡 志郎田中 信治
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2023 年 65 巻 3 号 p. 263-270

詳細
抄録

カプセル内視鏡は本邦では小腸用および大腸用カプセル内視鏡が保険承認され,また小腸用カプセル内視鏡の通過性判定目的の崩壊型ダミーカプセルであるパテンシーカプセルも保険承認されている.カプセル内視鏡の最大の利点は嚥下するのみで苦痛なく消化管内腔が観察できることであるが,小腸カプセル内視鏡,パテンシーカプセルの大きさは11×26mm(CapsoCam Plusは11×31mm),大腸カプセル内視鏡の大きさは11×31mmのため,小児や嚥下障害・意識障害のある成人ではカプセル内視鏡の挿入補助が必要となる.また,食道・胃に長時間停滞する場合も小腸以深の観察が不十分となりうるため十二指腸への誘導が必要となる.診療報酬の面では,15歳未満の患者に対し内視鏡的挿入補助具を用いてカプセル内視鏡を行った場合に内視鏡的留置術加算として260点の保険点数が令和4年4月に新設された.本稿ではカプセル内視鏡の挿入補助の器具,手技,および国内多施設共同調査AdvanCE-J studyの成績について解説する.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top