2023 年 65 巻 9 号 p. 1464-1478
【背景・目的】拡大や画像強調内視鏡などの内視鏡診断技術による大腸病変の質的評価は,費用対効果の高いリアルタイムな手法として臨床導入されている.更に,内視鏡治療技術の進歩に伴い,内視鏡的切除術が潰瘍性大腸炎(Ulcerative colitis:UC)罹患者の大腸腫瘍性病変の治療選択肢となりつつある.そのため,術前の正確な質的評価の重要性が増している.本システマティック・レビューでは,UC患者に対する大腸病変の内視鏡的質的評価の現状と限界を検証した.
【方法】2000年1月1日から2021年11月30日までの期間で,オンラインデータベース(PubMed経由のMEDLINE,Cochrane Library経由のCENTRAL)の文献検索を実施した.
【結果】文献検索で748報の論文が同定され,最終的に,25報の研究が対象となった.23報は腫瘍・非腫瘍の鑑別,1報はUC関連腫瘍と散発性腫瘍の鑑別,1報はlow-grade dysplasiaとhigh-grade dysplasia/癌の鑑別が検討されていた.
【結論】UC罹患者の大腸病変の質的評価は,最新鋭の内視鏡診断技術を用いてもなお困難であり,課題が残されている.