日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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症例
併存した胃癌との包括的治療で出血をコントロールしえた十二指腸リンパ管腫の1例
住谷 秀仁山形 拓 菅野 良秀大平 哲也原田 喜博田中 恵嶋田 奉広柿田 徹也澤井 高志伊藤 啓
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2024 年 66 巻 2 号 p. 151-156

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抄録

症例は49歳女性.EGDで胃前庭部に未分化型癌と,十二指腸下行部から上行部に粘膜出血を伴う12cm大のリンパ管腫を認めた.経過中,十二指腸リンパ管腫からの出血により高度貧血を生じた.胃癌に対する幽門側胃切除の消化管再建をBillroth-Ⅱ法とすることで,十二指腸リンパ管腫への食餌刺激や胃酸曝露を避け,膵頭十二指腸切除を要する病変摘除は行わなかった.術後,臨床的,内視鏡的にも十二指腸リンパ管腫からの出血の兆候は消失した.

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© 2024 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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