2024 年 66 巻 3 号 p. 273-278
83歳男性.EGDで十二指腸潰瘍術後残胃に30mmの隆起病変を認め,生検はadenocarcinoma,tub2/por1でESDの方針となった.1カ月後のESD施行時には病変は頂部が陥凹する形態に変化し,術後病理組織検査で胎児消化管類似癌(adenocarcinoma with enteroblastic differentiation:ACED)と診断された.非治癒切除だったが手術を希望されず,7カ月後,ESD施行部位に局所再発し,2年後に原病死した.ACEDは術前診断が困難だが,切除後の病理組織で淡明な腫瘍細胞を認めた場合は想起すべきである.