日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
YAGレーザーの臨床への応用(第2報)
水島 和雄原田 一道岡村 毅与志柴田 好林 朋子並木 正義葛西 真一水戸 廸郎井原 和夫渥美 和彦西坂 剛
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 21 巻 11 号 p. 1289-1296_1

詳細
抄録
 西独MBB社のYAGレーザーを用い,コアグレーター以外の臨床的応用として,隆起型早期癌,胃ポリープ,胃石に用い,次のような結果を得た. 1)隆起型早期癌では1型,2例,IIa型1例の計3例にレーザー治療を行い,3例とも腫瘍;は消失し,照射後,良好な経過で再発をみていない. 2)手術不能な隆起型早期癌の1つの治療法として,安全で簡単であり,有用と考えられた. 3)胃ポリープでは,高周波で切除しにくい山田皿型の3例にレーザー照射を行ったが,3例とも一度の照射できれいに消失した. 4)ポリペクトミーにて,出血,穿孔の予想されるような例には本療法が適応と考えられる. 5)胃石の1例に本療法を試みたが,胃石の非手術的治療法の1つとしての可能性は大であるが,今後さらに症例を重ねて検討する必要がある.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top