抄録
従来の大腸内視鏡検査で困難な場合が少なくなかった大腸の部位同定能を向上させる目的で,われわれは,新しいカメラを試作した.試作カメラは,オリンパスOM1のボディに市販の日付記録装置であるオリンパス・レコーデータバック2とオリンパスSM-3Sを装着したカメラである.この試作カメラを用いて施行した大腸内視鏡検査をRecordata-CF(以下RCF)と呼称し,大腸を中心とした内視鏡検査61例,73回にRCFを施行した.同時に施行した従来の大腸内視鏡検査をNon-RCFと呼称し,RCFとNon-RCFについて得られた成績を検討し,以下の結果を得た. (1)61例のうち,検討できた53例,1,396コマをNon-RCFにて分析したところ,1,396コマ中506コマ(36.2%)において大腸の部位同定が不能であり,この不能群のうちわけはポリープや癌や潰瘍性大腸炎などの有病変群が多かった. (2)大腸多発隆起性病変8例,48個のうち,RCFでポリープが確認できたのは,35個72.9%で,Non-RCFでは28個58.3%であった.さらに,繰作がより簡便な電卓式新試作カメラについても言及した.