日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃enterogenous cystの2例
近藤 哲蜂須賀 喜多男山口 晃弘磯谷 正敏堀明 洋安井 章裕広瀬 省吾山田 育男深田 伸二宮地 正彦碓氷 章彦渡辺 英世中野 哲綿引 元武田 功
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1983 年 25 巻 2 号 p. 255-260_1

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抄録
 胃enterogenous cystの2例を報告した.症例1は50歳男性で,黒色便を主訴として来院し,X線・内視鏡検査にてBorrmann2型胃癌と直径2.9cmの粘膜下腫瘍が発見された.胃全摘が施行され,組織学的検索により粘膜下腫瘍は胃粘膜下層内の単房性嚢胞と判明した.嚢胞壁は腸類似粘膜とそれをとり囲む平滑筋層で構成されていた.症例2は63歳男性で,慢性アルコール性肝障害の再燃のため入院し,上部消化管透視にて3.0×2.2cmの胃粘膜下腫瘍が偶然発見された.開腹時肉眼所見で,粘膜下腫瘍は胃壁内の嚢胞と診断され嚢胞核出術が行なわれた.嚢胞内容は粘液で,壁は胃類似粘膜と平滑筋層から成っていた.胃のenterogenous cystはまれに粘膜下腫瘍として経験される.粘膜下の嚢胞性病変と筋原性腫瘍や迷入膵などを初めとする充実性腫瘍とを鑑別することは必ずしも容易ではない.粘膜下腫瘍の生検に用いられる技法や超音波内視鏡などにより確定診断が得られれば,顕著な症状や合併症がない限りは経過観察のみで十分と考える.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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