抄録
胃切除術後の合併症として極めて稀な逆行性空腸胃重積症(Retrograde Jejunogastric Intussusception)の1症例を経験したので報告する.症例は70歳の女性で17年前に胃潰瘍にて胃切除術を受けている.今回子宮頸癌に対する広汎性子宮全摘術を受け,術後2日目より上腹部痛・嘔吐を生じた.内視鏡および胃X線検査を施行して,BillrothII 法で吻合された輸出脚の空腸が残胃内に嵌頓した逆行性空腸胃重積症と診断した.発症後11日目に開腹手術を施行.輸出脚の胃空腸吻合部から約20cmの部位より残胃にまで逆行性に嵌頓した3筒性の重積空腸を認め,この部の空腸を切除して端々吻合を施行した.切除した空腸には潰瘍やポリープ等は認められなかった.術後経過は順調で術後8カ月の現在小腸重積症の再発は認めていない.