抄録
私共の教室で行なっている大腸の内視鏡検査及び1975年3月からスタートした内視鏡的ポリープ切除術の方法について簡単に述べると共に,1984年末までに切除された232例363個のポリープ(腺腫内癌,及び非上皮性の脂肪腫,平滑筋腫を含む)について臨床病理学的に検討を行なった.切除ポリープは,71%が直腸S状結腸にあり,229個63%が腺腫であった.いわゆる腺腫内癌は31個認められ,最大径1cm以下の小ポリープにおいても3.7%に,1cm以上のものでは23%の高頻度に腺腫内癌が認められた.ポリープの多発例は59例25.4%あり,殊に初回検査時に2個以上のポリープが切除された症例のポリープ再発見率は高く,こうした症例はより慎重なfollow-upが必要であることが示唆された. 以上の結果より,今や大腸内視鏡検査,あるいはポリープ切除は比較的安全に行なえることとも考え合わせ,大腸隆起性病変の診断,治療,殊に大腸癌の発生予防の意味からも大腸ポリープ内視鏡的切除の益々の普及発展が期待される.