抄録
クローン病の組織学的所見として,肉芽腫の存在は最も特徴的であり,診断上,さらに病因解明の上からもその存在は重要である.そこでクローン病の大腸生検における肉芽腫出現頻度を病期,内視鏡所見別に検討した.対象はクローン病57例で内視鏡直視下に生検を施行し,採取した標本から4μm厚の50枚の連続切片を作製し,H-E染色を行い,肉芽腫の有無を検討した.活動期主病変(敷石像,大潰瘍)では80%,活動期微小病変(小潰瘍,アフタ様潰瘍)では75%に肉芽腫を認めた.一方,緩解期主病変(偽ポリポーシス)では65%,微小病変(小瘢痕)では25%,内視鏡的正常結腸で63%,正常直腸では54%に肉芽腫を認めた.最終的には57例中48例84%に肉芽腫を認めた.活動期病変では肉芽腫の数が多く,特に主病変では粘膜下層にも肉芽腫を認めることが多かった.内視鏡的正常直腸における肉芽腫の存在は,肛門部病変の有無,腸管主病変の部位,臨床的病期とは相関がみられなかった.
本法により検索すれば,クローン病の活動期主病変,微小病変,緩解期主病変では65~80%に肉芽腫を認めた.また,内視鏡的に緩解期や正常粘膜を呈しても約半数に肉芽腫を認めることが明らかとなった.