抄録
症例は71歳男性.主訴は発熱.既往歴として5年前下部食道癌に対して左開胸開腹下部食道胃全摘,膵体尾部脾合併切除術(Double Tract再建),リンパ節廓清.3年前総胆管結石に対して胆嚢摘出,総胆管切開,Tチューブ挿入術を受けている.2週間前から発熱,食思不振を訴え来院.入院時閉塞性黄疸を認め,PTCDを行ったところ総胆管に径1.5cmの結石を2個認めた.手術high risk例であったため,胃全摘後ではあるが内視鏡的治療を試みた.挿入はJF-IT10を使用し,X線透視下に腸管の走行を確認しながら行い,順行性に十二指腸乳頭に到達した.EST施行後バスケットカテーテル,バルーンカテーテルを用いて結石摘出をおこなった.1回の治療では完全に摘出できず,計2回の治療で結石除去に成功した.胃全摘症例に対するERCP,ESTの報告はこれまで見られないが,適応のある症例には積極的に試みる意義があると思われた.