抄録
1990年1月より1991年4月までに経十二指腸的に截石した総胆管結石18例に親子式経口胆道鏡を行った.15例に胆嚢管内に挿入しえた.そのうちの3例は胆嚢頸部まで挿入しえた.螺旋部へは13例,平滑部へは全例挿入しえた.良好な内視鏡像のえられた12例で胆嚢管粘膜像を検討したところ,粘膜血管透見像は螺旋部まで挿入しえた10例全例に,平滑部に挿入しえた12例全例に認められたが,粘膜血管拡張像の合併を螺旋部で4例に,粘膜の凹凸像を螺旋部で2例に認めた.メチレンブルーによる色素法を4例に行い,粘膜模様について観察した.通常観察で平滑とした3例のうち2例は粘膜模様は均一であったが,1例は不均一であった.凹凸を認めた1例も粘膜模様は不均一であった.不均一部からの生検組織像は軽度の慢性炎症性変化であった.