2024 年 21 巻 4-5 号 p. 344-353
脾臓摘出術後重症感染症(以下,OPSI)予防に対し,本邦では23価肺炎球菌ワクチンが保険適用となっている。今回,日本外科感染症学会では,脾摘患者における肺炎球菌ワクチンに関する現状についてアンケート調査を実施した。その結果,多くの医師が脾摘(予定)患者に対してOPSIのリスクや肺炎球菌ワクチンの意義について説明し,肺炎球菌ワクチンを主に術後に接種しているものの,これらを行わない医師も存在した。膵癌などで術前補助化学療法(以下,NAC)を行う場合,その接種時期はNAC前,NAC後脾摘前および脾摘後に分かれた。これらの背景には保険適用の問題,NAC施行時の接種タイミングに関するエビデンスがないことや肺炎球菌ワクチンより癌治療が優先されることがあげられた。以上より,外科医や救急医が活用しやすい脾摘患者における肺炎球菌ワクチンの取扱いに関する提言やガイドライン作成が必要と考えられた。