抄録
始原隕石中には有機物が豊富に含まれるが、それらの起源は明らかではない。隕石有機物の少なくとも一部は、太陽系形成時の「冷たい宇宙空間」、星雲外周部や星雲の前身である分子雲で進行した物質形成過程を理解するための格好のプローブになり得るかもしれない。有機物はCHONSと書きならわされるように、安定同位体を複数持つ多数の元素から構成される。これらの同位体情報を組み合わせることにより、有機物の形成環境を詳しく理解することを目指した。我々は南極産炭素質コンドライト隕石 Yamato-793495 (CR2) から抽出した酸不溶有機物(IOM)を用いて分析を進めた。東京大学・大気海洋研究所に備わるNanoSIMS50 を用い、IOM中の同じ領域中の水素・窒素・炭素・酸素の同位体イメージングを進めた。