抄録
ジルコン内の微量元素分布(Eu, Yb, Hf, Pb, Th, U)とカソードルミネッセンス(CL)像を比較し、その相関性を定量的に調べた。分析には、LA-ICPMS法を用い、ArF Excimerレーザーによる波長193nmレーザーを5?mまで絞り込み、走査速度1?m/secによるラインプロファイル分析を繰り返し、島根県川本花崗閃緑岩に含まれるジルコン(OD-3)中の微量元素分布分析を行った。ICP質量分析計には高感度二重収束型誘導結合プラズマ質量分析計(AttoM)を用いた。153Eu, 172Yb, 232Thの分布は238Uの分布と強い相関があり、これらの元素の存在量はCL強度と負の相関があった。178HfはCL強度と明確な相関は見いだせなかった。238Uと232Thに注目すると、非線形の濃度相関を示した。