日本地球化学会年会要旨集
2012年度日本地球化学会第59回年会講演要旨集
セッションID: 2P16
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G2 古気候・古環境解析の地球化学
東赤道太平洋における過去40Maの陸上植物由来脂肪酸の安定炭素同位体比変動
*山本 真也沢田 健中村 英人小林 まどか河村 公隆
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抄録

本研究では,新生代の気候変動に伴う熱帯-亜熱帯域の陸域環境変化を明らかにするために,赤道太平洋の堆積物中(IODP Sites U1331?U1338)の長鎖脂肪酸の安定炭素同位体比(δ13C)を測定した。その結果,陸上植物ワックスに由来する炭素数28と30の直鎖脂肪酸(C28, C30脂肪酸)のδ13C値は,約40~20 Maにかけて約5‰の漸移的な減少傾向を示したが,13Ma以降は一転増加に転じ,現在にかけて約10‰の増加傾向にあった。また,C28, C30脂肪酸のδ13C変動には,13Ma以降3回(1.6Ma, 6.5Ma, 9.5Ma)の短期的な増加イベントが認められ,南アメリカの熱帯-亜熱帯域が,中新世中期以降,複数の乾燥化イベントを繰り返しつつ,徐々に乾燥化に向かい,C4植物が増加していったことが示唆された。

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© 2012 日本地球化学会
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