抄録
本研究では、オマーンオフィオライトの海洋地殻-マントル境界付近で発見された、グロシュラー(Ca-Alに富むガーネット:Ca3Al2Si3O12)やクロマイトを含む“mantle diopsidite”や、ウバロバイト(Ca-Crに富むガーネット:Ca3Cr2Si3O12)やクロマイトを含む“crustal diopsidite”を報告する。記載岩石学的な視点から、これらの岩石サンプルは、熱水循環の関与で形成されたことが示唆されている。そこで、熱水循環最下部の実体を明らかにするため、特に微量元素に着目してこれらの岩石の成因を考察する。その成因には、Naが重要な関与をしたと考えられるため、その点に焦点を当てる。