抄録
宇宙空間で有機物の非生物的合成が進行し、隕石や彗星と共に地球に到達、生命誕生の材料となった可能性が考えられている。しかし、非生物的に合成されたアミノ酸はラセミ体であるが、地球生命の基本を成すタンパク質は基本的にL体で構成されている。このホモキラリティーの起源は生命の起源を考える上で大きな謎である。
本研究では、GC/MS法と円二色性分光法(CD) により微小なエナンチオ過剰(ee)をもつアミノ酸のD/L比の測定法について検討を行い、またeeをもつアミノ酸にγ線を照射し、生成物中のエナンチオ比を調べた。
その結果、GC/MSでは1 mM、CDでは10 mMのアラニン(Ala)があれば1%のeeが検出可能であることが分かった。γ線照射によってイソバリン(Iva)が分解されAlaやセリン(Ser)が生成することから、隕石中のeeを持つIvaが分解した時、eeを有するAlaやSerが生成する可能性が考えられる。現在、γ線照射生成物のeeをGC/MSで測定中である。