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温暖化や成層圏オゾン層破壊をもたらす一酸化二窒素(N2O)のアイソトポキュル比(非対称NNO分子内の15N分布も考慮した同位体比)はN2Oの起源、生成・消滅過程や全球収支の推定に有効な指標である。これまでに14Nに富むN2Oを放出する発生源がN2O濃度の増加に寄与していることが報告されているが、大気中における継続的な観測の報告例は極めて限られている。演者らは1999年から沖縄・波照間島、2005年から西シベリア・ノボシビルスク上空、2011年からカナダ・チャーチルにおいて毎月1-2回の頻度で大気試料を採取し、N2Oアイソトポキュル比の分析を行っている。濃度の増加傾向や窒素同位体比の減少傾向は、既往研究と概ね一致したが、窒素同位体比の減少傾向が近年変化している可能性が明らかになった。