密度汎関数理論に基づく第一原理計算法は、実験データに依存するような経験的なパラメータを一切用いずに物理学の基本法則のみから物質を高精度でシミュレートする方法である。最近の計算機の性能向上にも後押しされ、複雑な構造や組成を有する地球惑星物質に対しても適用範囲が広がり、高圧高温物性を研究する有力な研究手段の一つとなった。計算結果は、地球惑星深部の極端条件下においては実験と同程度か場合によっては上回る精度を有しており、そのため重要性はますます増加している。本講演では、これまで我々の研究室において重点的に開発及び推進を行ってきた地球惑星物質のシミュレーションを中心に、第一原理計算による地球内部研究の現状について紹介する。