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一酸化二窒素(N2O)は温室効果および成層圏オゾンの破壊に関与する気体であり、海洋はN2Oの全球放出量の約20%を占める発生源と考えられている。溶存酸素濃度などの影響で微生物によるN2O生成・消滅過程は大きく変動するため、N2O放出量の見積もり幅は大きい。北極海における観測例は限られており、時空間分布など未知な部分が多い。本研究ではベーリング海およびチュクチ海における溶存N2Oの水平および鉛直分布を複数年にわたって明らかにするとともに、N2Oの分子内15N分布(SP)も含む安定同位体比情報を用いて生成・消滅過程を解析した。海水試料は2013-2015年の8-10月に行われたJAMSTECの「みらい」航海を利用して採取し、溶存N2Oの濃度および同位体比をGC-IRMSを用いて測定した。