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海水中のホウ素はホウ酸およびホウ酸イオンとして存在する。ホウ素はpHによってその存在度が異なることから、海水洋のpHトレーサーとして炭酸塩中のホウ素同位体比(11B/10B)が注目されている(e.g. Ohde and Zuleger, 1999)。炭酸塩にはホウ酸イオンが選択的に分配されることが知られているが、結晶構造(カルサイト・アラゴナイト)の違いで、取り込まれ方にどのような違いが生じるかについて調べた研究例は少ない。そこで、本研究では実験室内にてpH一定条件下で、無機的に炭酸塩(カルサイト及びアラゴナイト)を合成し、ホウ素の分配係数及び同位体分別係数が結晶構造の違いによってどのような影響を受けるかについて調べた。