大分県の日田市は温泉地で水郷と呼ばれている観光地であるが,1987年頃より筑後川(三隈川)に泡状物質が漂い景観を損ね問題になっている.本研究では日田市地域の筑後川水系(三隈川水系)における泡状物質の起源を明らかにするために,2015年8月および12月等に調査を行い泡状物質を採取し,それらに含まれる脂質バイオマーカーの分析を行い,それらの特徴を明らかにし起源生物の解明を試みた.バイオマーカーである炭化水素(直鎖・分岐アルカン,ステラン,トリテルパン,UCMH),脂肪酸(直鎖,分岐,不飽和),ステロール(ステノール,スタノール)の特徴より,泡状物質の生成には石油汚染性の炭化水素が関与し,藻類(珪藻を除く)の寄与が大きく,維管束植物や真正バクテリアの寄与は小さいと考えられる.