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本研究では、Nd標準試料(JNdi-1)を90回繰り返し測定し、同位体分別の原因を特定することを試みた。結果として、exponential lawで補正したNd同位体比間に、二次的な同位体分別による正の相関が存在することがわかった。二次的な同位体分別はイオン源に付着したイオン化活性剤(リン酸)が引き起こしていると推察した。同位体分別の効果を150Nd/144Nd比を用いて補正すると、全測定の142Nd/144Nd比の再現性は±5.9 ppmから±4.0 ppmに向上した。地球試料の測定には二次的な同位体分別の補正が有効である一方、150Nd/144Nd比にばらつきがある隕石試料の測定には適用が困難である。隕石試料の高精度Nd同位体分析には、イオン源を含めた測定条件を一定に保つことが必須である。