2021 年 7 巻 2 号 p. A_289-A_297
ACCで冬期道路を走行しているドライバの先行車に対する主観的リスク認知レベルを実車で計測し、冬期道路におけるACCの適応条件の検証を試みた。ドライバがACCを用いて先行車を追従中、先行車が減速し接近する場面を想定した。その結果、ACC走行時のドライバの主観的リスク認知レベルは通常運転に比べて大きくなった。また、先行車との接近時におけるTHW(Time Headway)とTTC(Time To Collision)を説明変数、主観的なリスク認知レベルを目的変数とする統計的モデルを推定した。モデルはTHWのみが有意となった。モデルと主観的なリスク認知レベルの結果から、ドライバが圧雪路面をACCで走行するときにTHW設定を長くすることで、通常運転と同等のリスク認知レベルとなる可能性が示唆された。