主催: 日本地球化学会年会要旨集
会議名: 2021年度日本地球化学会第68回年会講演要旨集
回次: 68
開催日: 2021/09/01 - 2021/09/15
p. 45-
植物プランクトンの窒素源は、海洋一次生産に占める新生産と再生生産の割合を表す重要なパラメータである。本研究では、東インド洋88°E測線のクロロフィル極大深度において懸濁態有機物を採取し、クロロフィル色素のδ15N分析を行った。生理生態の異なる植物プランクトンそれぞれの窒素源を同定するために、真核藻類とシアノバクテリアに由来するクロロフィルaに加えて、プロクロロコッカスに特有のジビニルクロロフィルaのδ15N分析を行っている。得られたデータの解析により、測線を通じてプロクロロコッカスが有機物分解由来の還元態窒素に依存している一方で、一部の測点では真核藻類が下層から供給される硝酸を同化していることが明らかになった。発表では、複数種のクロロフィル色素のδ15Nに基づいて解析を行うことが、現在や過去の植物プランクトンの窒素源や海洋表層の窒素循環を詳細に明らかにする上で重要であることを示す。