1985 年 31 巻 1 号 p. 137-139
北陸地域に広く分布する低湿重粘土水田の転換畑は透水生が悪く,また,冬期間は積雪に覆われ,融雪水も加わって,春季の土壌は乾燥が進まず,耕転・砕土作業を困難にしている。転換畑の耕転・砕土性能を高める方法として,超低速耕転法,細砕土耕転法,アップカット・ロータリ法等が開発されたが,いずれの耕転法も土壌水分の多い転換初年目には十分な砕土率が得られず,作物の発芽,定着不良の一因となっている。そこで低湿重粘土転換畑で発芽定着に大きな影響をもたらす砕土率の実態とその経年変化,及び砕土率に及ぼす植生の影響について検討した結果を報告する。