地理学評論 Series A
Online ISSN : 2185-1751
Print ISSN : 1883-4388
ISSN-L : 1883-4388
論説
東アジア地域における海面気圧分布パターンの客観分類
——寒候期のパターン——
加藤 央之永野 良紀田中 誠二
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 86 巻 2 号 p. 95-114

詳細
抄録

将来の地域気候予測に用いる統計ダウンスケーリング手法に利用するため,東アジア地域における海面気圧分布パターンの客観分類を行い,寒候期を対象として,平均分布型,出現の卓越季節,従来手法による分類結果などを参照し,得られた各パターンの特徴を明らかにした.本手法は,分布パターンを主成分スコアという客観指標に置き換え,主成分空間内でクラスター分析によりこれを分類するものである.対象領域における30年間(1979~2008年: 10958日)の午前9時の海面気圧分布パターン分類を行った結果,寒候期のパターンは強い冬型(3グループ),弱い冬型(3),低気圧型(1),移動性高気圧型(2),移動性高気圧・低気圧型(2),その他(1)の12のグループに分類された.各グループの継続性,グループ間の移行特性(特定のグループから特定のグループへの移行しやすさ,しにくさ)について,確率を用いて定量的に明らかにした.

著者関連情報
© 2013 社団法人日本地理学会
次の記事
feedback
Top