抄録
大雨予想資料などに基づき, 1951~61年の台風時の日本の日雨量分布形態を比較検討した.その結果,分布型としては,地形性レインバンド型,前線型,海岸型,雷雨型,その他の5種類があることを知った。最も数多く出現する代表的な台風の雨は地形性レインバンド型である.台風来襲時の65% の雨はこの型で降り,雨量も多い.とくに強い台風の時の雨は例外なしにこの型であった.レインバンドは伊豆・丹沢一足尾・那須,紀伊一鈴鹿・伊吹など8カ所に出現し,その方向は当時の卓越風向とほぼ平行していた.少くとも5~6km層まで風のシャーがなく,強い南寄りの風が吹いている場合に発達する.
前線型以下の分布型は弱い台風か,距離が遠く日本への影響が少ない場合にみられることが多く,雨量も少ない.これらは他の原因に対して代表的な雨量分布型が台風の来襲時にも,たまたま出現したもので,台風時の代表的な雨量分布型とはいえない.