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石英は花崗岩質の上部地殻を構成する主要鉱物であり、その自形は水晶と呼ばれ、多くの鉱物と共に産出している。共生する鉱物は水晶の成長時にインクルージョンとして取り込まれるだけでなく、様々な過程を経て、水晶の成長に影響を与える。本発表ではその影響について、概要を報告する。
異種鉱物が水晶の成長に及ぼす影響について、規則的配向性、付着と取り込みの程度、溶解の影響に分けて述べる。
(1)規則的配向性として、エピタキシー、共融系が挙げられる。エピタキシー関連では方解石、黄鉄鉱、ルチル等が水晶と定方位に配列して成長することが報告されている。また、花崗岩ペグマタイト中の文象帯では石英と長石が共融関係にあり、定方位で共生している。
(2)付着と取り込みの程度により、様々な形と色が生じる。水晶表面に付着した鉱物を取り込む際に生じた格子のミスマッチから転位や双晶が発生する。ミスマッチが広範囲に及ぶと格子が大きくずれ、成長方向の異なる領域が生じて、末広がりや不明瞭な形状になる。また、桜の花模様を持つ、いわゆる桜水晶が形成されることもある。
付着物が増えても、その隙間を通じて、基盤の水晶は成長するが(ELO: epitaxial lateral overgrowth)、隙間が無くなれば、成長は停止する。しかし、シリカ成分の供給が続けば、被膜上に水晶が新たに核形成して成長が継続される。いわゆる山入り、松茸、サボテン水晶の形成は被覆の程度とシリカ成分の供給量に依存している。
付着鉱物の種類によっては、白、赤、青、緑、レモン(黄)、ピンクなどの色水晶が形成される。白色は流体や角閃石、赤色は酸化鉄、青色は角閃石・ルチル、緑色は緑閃石・緑泥石・灰鉄輝石、レモン色は角閃石・イオウ、ピンク色はルチル・デュモルティエライトに由来する。
(3)溶解の影響
水晶表面に付着した鉱物が溶解すれば、後には不規則模様(痕跡)が残る。元々有った鉱物が水晶により置換されると、仮像が形成される。そのような例は千葉石や葉片状石英等に見られる。
平板状水晶の連晶中に白い帯状の筋があるものは faden quartz と呼ばれている。この形成過程については次の二説がある。一つは岩盤のクラック形成に伴い、破断された石英粒子が連結しながら筋状に成長した後に平板状の水晶がその上に形成されるという考えである。もう一つは既にある鉱物上に水晶が成長した後、その鉱物が溶解したという考えである。現状、 faden quartz の形成過程についてはさらなる検討が必要である。