抄録
第一リン酸マグネシウムを結合材として利用した試作歯科鋳造用リン酸塩系埋没材は硬化時や鋳型焼成時に有害なアンモニアガスの発生がなく, 技工作業環境の改善に効果があると考え, 研究を重ねている1). また第38回大会の発表2)では第一リン酸マグネシウムが水に可溶であることに着目して, ペースト状に調整した完全ダストフリー型のリン酸塩系埋没材の開発についても検討した. その結果, ペースト·ペーストタイプのリン酸塩系埋没材は粉末で検討した物性と比較しても大きな差がないことを明らかにした. 今回の発表では, 試作アンモニアフリーリン酸塩系埋没材の歯科臨床使用上での用途を明らかにすることを目的とした. はじめにリン酸塩系埋没材でないと鋳造が不可能であるCo-Cr合金に対する有用性について, 通法にしたがって作製された鋳造体から検討を行ったので報告する.
今回試作した埋没材ではCo-Cr合金の収縮量を十分に補償できないことが明らかとなったが, 今後は結合材成分の構成比, 耐火材の粒度や他の歯科用金属や冠橋義歯, 有床義歯への利用についても検討を進めていきたい.