抄録
G. V. Blackは、技術的特性に基づき窩洞を5つの組に分類したが(Operative Dentistry, 1914)、近年の接着性成形修復材料、すなわちコンポジットレジンの開発·発展はめざましく、窩洞形成の考え方も変遷している。特に接着性のコンポジットレジン修復の場合は、窩洞外形、保持形態、抵抗形態、便宜形態および窩縁形態などの窩洞形成デザインにおいて、非接着性修復材料に見られるような制限は少なく、齲蝕部位歯質の除去を主体として、bevelの付与、窩洞側壁と歯面とのなす角度を60°以上とすることが望ましいなどで、維持安定はコンポジットレジンと歯質との接着性にその全般を担っている。主に接着性に依存している材料であるために、修復物と歯質との材料特性の違いから、咬合によって応力が生じた場合、この応力に抗するような窩洞デザインを付与することによって、より一層修復物の維持安定に寄与することが可能であると考えた。そのため本研究では、単純な窩洞のデザインを3次元構築し、窩洞側壁のテーパー度および窩底面の形態を変化させた場合の充填物に生じる応力を有限要素法により求め、応力の分布から窩洞形成のデザインについて検討した。
以上の結果より、TAによって応力の値および発現部位が異なった。また、窩底の形状によっても最大応力、応力集中に影響があることが示された。従って、この方法によって窩洞形成のデザインに対する評価が可能と考えられた。