高次脳機能研究 (旧 失語症研究)
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ミニレクチャー:いまさら聞けない認知症の諸症状
手づかみで食べるのは「失行」のため? ―道具使用障害と他の病態機序の影響を考える―
近藤 正樹
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2025 年 45 巻 3 号 p. 176-181

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抄録

本稿では「手づかみで食べるのは失行のため?」という質問に答え,手づかみで食べる行為について考察した。手づかみで食べる患者ができていること,できていないことを整理すると,食べ物を見て確認し,手が食べ物に到達し,把持することはできている。できていないことは道具の使用で,道具の代わりに食べ物をつかんでしまう。できていないことの病態機序としてはいくつかの可能性が考えられるが,4つの病態機序仮説を提案した。1つ目は,道具使用ができないことからの混乱,道具の代償手段としての手の使用が考えられる。2つ目は,道具使用は可能だが,脱抑制や行動規範の障害により直接食べ物に向かうこともありうる。3つ目は,食事時の道具の逸脱や手の道具化としてとらえることも可能かもしれない。4つ目は,脳変性に伴う発達の逆行が考えられる。このような仮説をもとに個々の患者の背景疾患,併存症候と合わせて考える必要があると思われる。

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© 2025 一般社団法人 日本高次脳機能学会

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