2014 年 2 巻 1 号 p. 63-71
胎盤はと畜を伴わずに採取可能な畜産副生物であり、資源効率の観点から積極的に有効利用するべきものである。本研究では胎盤に豊富な成分であるプロテオグリカン(PG) に着目し、その有用性を評価した。胎盤より抽出・単離したPGを、酵素処理により切断グリコサミノグリカン鎖 (切断GAG鎖) とコアタンパク質ペプチド(CPPs) に分解し、各々がラット真皮線維芽細胞に及ぼす影響を培養系で検討した。 両PG分解物の添加は線維芽細胞の増殖を促進し、さらに、コラーゲンおよびPGの培地への分泌と細胞層への蓄積を促進した。細胞層の抗体染色や培地のSDS-PAGE像でも添加効果が視覚的に確認された。切断GAG鎖は I 型コラーゲン、マトリックスメタロプロテアーゼ-13のmRNA発現を、CPPsはIII型コラーゲンのmRNA発現を増加させた。これらの結果より、PG分解物は線維芽細胞のECM分解に関わる反応も刺激し得るものの、その増殖およびECM 産生を促進させる作用があり、真皮組織形成に作用することが示唆された。したがって、胎盤由来PG分解物はスキンケア製品などへの応用が期待できる。