ヘルスプロモーション理学療法研究
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原著
地域在住高齢女性における1年後の軽度認知機能障害の発現を 予測する身体機能指標
-傾向スコアマッチング法を用いた検証-
合田 明生村田 伸白岩 加代子中野 英樹安彦 鉄平野中 紘士岩瀬 弘明阿波 邦彦堀江 淳
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2020 年 10 巻 3 号 p. 117-123

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抄録

本研究の目的は,1年後に軽度認知障害(mild cognitive impairment: MCI)を発現する地域在住高齢女性における身体機能を明らかにすることであった。ベースライン時点で認知機能障害のない地域在住高齢女性201名を対象とした。1年後にMini-Mental State Examination(MMSE)24‐26点に低下した者をMCI 群36名,27点以上に保たれた非MCI 群165名に分類した。その後,傾向スコアを用いて認知機能低下に影響する交絡因子をコントロールして両群36名ずつにマッチングし,両群のベースライン時の身体機能を比較した。その結果,MCI 群では,非MCI 群と比較して開眼片脚立位時間が有意に短く,TimedUpandGoTestと5m 最速歩行の所要時間が有意に長かった。以上から,バランス能力と歩行能力の評価は,地域在住高齢女性の1年後のMCI 発現を予測するために有用なスクリーニング指標である可能性が示された。

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© 2020 日本ヘルスプロモーション理学療法学会

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