2024 年 14 巻 1 号 p. 13-18
本研究では,片脚着地動作における下肢関節運動が衝撃緩衝係数に与える影響を明らかにすることを目的とした。対象は,整形外科的疾患を有さない者14名(男性7 名,女性7 名)とした。測定指標は,片脚着地動作時における体幹や下肢の関節角度および足部接地時からの関節角度変化量,床反力による衝撃緩衝係数とし,各項目の男女間での比較や相関を検証した。男女間では,衝撃緩衝係数に有意差を認めなかった。また,女性のみ膝関節屈曲の角度変化量と衝撃緩衝係数との間に負の相関を認めた。さらに,女性のみ接地時の足関節底屈角度と衝撃吸収時の膝関節外反角度との間に正の相関を認めた。以上の結果から,女性は男性と比較して膝関節の関節運動を多く用いることで衝撃吸収を行っていることが示唆された。